2016年4月28日

早田町を子供・孫世代まで残したい - 合同会社き・よ・り

人口150人ほどの小さな漁村集落・尾鷲市早田町。
人口の2/3が65歳以上の高齢者というこの限界集落を、何とかして存続させたい。
そんな想いから生まれたローカルベンチャー、「き・よ・り」の精力的な活動をご覧ください。

【お話を伺った方】
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合同会社き・よ・り 地域おこし協力隊
石田 元気氏

-まずは貴社の概要について教えてください。

 まず、き・よ・りが発足した背景ですが、早田町は現在、人口が約150人と少なく、かつ高齢化が進み限界集落にもなっている為、まちづくりを真剣に考える必要性がありました。そこで近年、早田における様々なまちづくり活動が始まりました。

当初は外部の大学生と協力して様々なまちづくり活動を行っていたものの、一番の目的である「早田を子供や孫の世代まで残す」という部分を突き詰めて考えると、地元の漁業会社である早田大敷の存続が欠かせない、という結論で、住民の意見が一致したんです。

「その早田大敷をどう存続させるか」と考えると、同社も社員の平均年齢が60歳を超えており、10年後も存続しているか危うい状況であるということが、まず一番の問題でした。

そこで「早田漁師塾」の開催を通じて若手の漁師に移住を促し、若い漁の担い手を増やして行くことにしたんですね。

程なくして、漁師塾は一定の成果を上げ、外部から若い漁の担い手を確保することは出来ました。しかし、漁は男性の仕事で、女性の仕事には繋がりません。今後、早田の男性が結婚し、若い女性を連れてきた時に、「じゃあ、女性はどこで働くのか」という問題が出てきました。

かつては、女性の働き口として縫製工場等もあったのですが、現在では人口減少に伴って無くなっています。しかし、「早田を存続させる」ことを考えると、やはり女性も働く場所が必要になるでしょう。

そこで、「女性の雇用を作る」を実現するために、き・よ・りを設立したのです。また、これは僕が地域おこし協力隊として与えられたミッションでもありました。

現在は発足したばかりなので、ほぼ僕一人で動いている形ですが、将来は早田の女性の働き口となれるよう、規模を拡大して行ければと思っています。

-主な業務内容について教えてください。

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 まずは「さばき会」です。これは、早田で獲れた魚をそのまま都市へ持っていき、来てくれた人に魚のさばき方を教えながら、自分でさばいた魚を食べてもらうと言うイベントです。

魚を食べて、時にはお酒も飲みながらコミュニケーションを取り、早田の良さを伝えつつやっています。今のところ、津・名古屋・東京・埼玉での開催実績があります。今後はもっと様々な都市へ展開して行こうと考えています。

もう一つは「うみまかせ」です。これは魚の定期通販で、その名の通り、早田大敷の当日の定置網で獲れた魚を選別し、丸のままで送るという形です。

うみまかせはまだ立ち上げすぐという事もあり、これから販売を増やして行くつもりですが、さばき会を多く実施していくことで知名度を上げ、うみまかせの購入にもつなげて行きたいと考えています。

その他、魚の移動販売も考えており、クラウドファンディングで資金を出資いただき、着実に準備を進めています。11月頃には事業をスタート出来るように調整をしています。

-貴社の今後の展望について教えてください。

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 き・よ・りは「女性の雇用を作る」という事を目的としているので、売上を伸ばし、人を雇用できる体制を作っていくのが当面の目標です。

その後については、現状Iターンで早田に来ている漁師の方も多いので、その奥さんが「働きたい」と魅力に思ってくれる会社にしていく、あるいはそれ以外の方でも「き・よ・りで働きたい」と思ってくれるようにして行きたいと考えています。

まずは、売上を伸ばすために現行の業務に注力して行きますが、今後はうみまかせや移動販売などで余った魚を委託加工し、賞味期限を伸ばして在庫を持ちながら売れるような仕組み等も整えて行ければと思います。

-今後の採用に関して、「求める人材」はどのような人でしょうか。



 一つは、今後の事業拡大を担える人ですね。き・よ・りの取り組みは、早田の街の中の雇用に繋げて行きたいと考えているので、その為には規模の拡大をしなければなりません。例えば梱包作業をお願いするにしても、販売量が増えなければならないので。

その他にも、移動販売で車を運転してくれる方や、うみまかせの商品のデザインや編集などを頼める方、ECサイトの運営ができる方等々、お願いしたい事は増えていくと思います。

まずはフリーでの契約等になるかとは思いますが、せめてアルバイトの形態でも雇用をして行きたいと思っています。まだ5年も10年も先の話かも知れませんが…

現時点でき・よ・りに携わって頂くとすれば、デザイン等の案件単位での発注や、あるいは0から一緒に事業を作り上げて行く形になるかと思います。

-最後に、貴社で働く上でのアピールポイントは何でしょうか。

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 正直、30年・50年と先を見据えた時に、「この会社があって良かった」と思える会社になれるかは分かりませんが、先の事は重々考えながら、精力的に仕事に取り組んでいます。

今やっている仕事を面白いと思う人はたくさん出てきていますし、協力してくれる人も、尾鷲市内に限らず色んな地域で出てきてくれています。

なので、「先の事を良く考えながらも、今を楽しみたい人」には良い環境なのではないかと思いますし、そういう方と一緒に仕事がしたいと思います。

 

 

※掲載の情報は2016年4月時点のものです。